ガーネットはファミリーと呼ばれる程種類が多く、カラーバリエーションも豊富な石。その中でガーネットの王様と呼ばれるのが『デマントイドガーネット』です。 デマントイドとはオランダ語でダイアモンドのような、という意味で、ダイアモンド以上に輝く(分散度が高い)ガーネットなのです。 1853年、ロシアのウラル地方で見つかったデマントイドは、当時、世界で一番裕福と言われたロマノフ王朝の皇帝や世界の富豪しか身につける事を許されなかった宝石と言われています。 また、ロシア産にのみ見られる馬の尻尾のようなホーステールインクルージョンは、幸運の象徴として大変珍重されました。 1900年に入り王朝と共に姿を消したのですが、2002年に旧鉱山付近で鉱脈が発見されます。そのことから『100年の眠りから覚めたガーネット』というネーミングが付きました。ところが僅か半年で枯渇、閉山してしまったのです。 宝石好きなら必ず手にしたがる、また一度手にしたら、二度と手放さない石とまで言われるようになりました。 まさにコレクターズストーンです。 宝石本来の美しさももちろん魅力的ですが、その歴史を知ると、輝きがより一層増すように感じますね。
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